日本人は、世界でも有数の木の好きな民族と言われている。木の家に住み、木の箸で生きているせいだろうか。
看板の長い歴史の中でも木を使ったものが圧倒的の多かったわけであり、看板イコール木という時代がつい先頃まで存在していた。現代は新しい素材に押され、木の看板についての情報が少なく、オーナー、デザイナーのみなさんの発想が欠落しがちと聞く。しかし昨今、低成長時代への予感漂うなか、いま一度原点を見つめ直そうとする気運が高まっている。また、価値観の多様化も著しい。大きな変革期を迎えた今こそ、伝統ある木の看板を見直し復権させ、次の世代へバトンタッチすべきものと思う。